NATタイプとは?ゲームで困る原因と対策

NATタイプとは?ゲームで困る原因と対策

オンラインゲームを快適に楽しむうえで、「回線速度」だけでなく重要になるのがNATタイプです。

マッチングが遅い、ボイスチャットが繋がらない、フレンドと遊べないといったトラブルの多くは、NATタイプが原因になっていることがあります。

NATタイプの基本からゲームで困る理由、そしてプロバイダー選びのポイントまで詳しく解説します

NATタイプとは何か

オンラインゲームや在宅ワークで「NATタイプ」という言葉を目にする機会が増えています。しかし、仕組みを正しく理解している人は意外と多くありません。

NATタイプはインターネット接続の“通りやすさ”を示す指標であり、特にオンラインゲームの快適さに直結します。ここでは、NATの基本構造からタイプの違いまで、わかりやすく解説します

NATタイプの仕組みと分類

【NATの基本的な仕組み】

NATとは「Network Address Translation(ネットワークアドレス変換)」の略です。

家庭のインターネットでは、以下のような仕組みが使われています。

  • 自宅内の機器(PC・ゲーム機・スマホ)は「プライベートIPアドレス」を持つ
  • インターネットに出るときは「グローバルIPアドレス」に変換される
  • この変換を行うのがルーターのNAT機能

つまり、NATは「家の中の住所」と「世界共通の住所」を橋渡しする役割を担っています。これにより、1つの回線で複数の機器を同時にインターネットへ接続できるようになっています。

なぜNATタイプが存在するのか

NATには通信の通し方に違いがあります。外部からの接続をどの程度許可するかによって、タイプが分かれます。

主な違い
  • 外部からの通信を自由に受けられるか
  • 特定の相手だけ許可するか
  • ほぼ受け付けないか
 

オンラインゲームでは、プレイヤー同士が直接通信する「P2P通信」を使うことが多く、NATの制限が強いと接続トラブルが起こります。

ゲーム機でのNATタイプ分類

代表的なゲーム機では、以下のように分類されています。

■ PlayStation系(例:PlayStation 5)

  • タイプ1:直接接続(制限なし)
  • タイプ2:ルーター経由だが問題なし
  • タイプ3:制限が強い

■ Nintendo系(例:Nintendo Switch)

  • タイプA:非常に良好
  • タイプB:標準的で問題なし
  • タイプC/D:制限あり
  • タイプF:接続困難
 

一般的には「タイプ2」や「B」であればほとんどのゲームは問題ありません。

NATタイプが悪くなる仕組み

NATタイプが制限型になる背景には、回線やプロバイダーの仕様があります。

主な原因
  • CGN(キャリアグレードNAT)によるIPアドレス共有
  • IPv4 over IPv6環境でのポート制限
  • ポート開放ができない契約プラン
  • 二重ルーター構成
 

特に、プロバイダー側でグローバルIPアドレスを共有している場合、ポートが制限されやすくなります。

NATタイプの本質

NATタイプとは、単に「良い・悪い」というものではなく、

  • 外部との通信の自由度
  • ポートの開放状況
  • グローバルIPの割り当て方式

これらを総合的に表した指標です。

 

速度が速くてもNATタイプが悪いと、オンラインゲームでは不利になることがあります。回線選びでは「通信速度」だけでなく「接続方式」も重要です。

NATタイプが原因で起こるトラブル

オンラインゲームで「マッチングしない」「フレンドと遊べない」といった問題が起きた場合、回線速度ではなくNATタイプが原因になっていることがあります。

NATタイプが制限型の場合、外部との通信がうまく成立せず、さまざまな不具合を引き起こします

ここでは、NATタイプが原因で発生する具体的なトラブルを詳しく解説します

NATタイプが悪化すると起こる問題一覧

マッチングが成立しない・極端に遅い

NATタイプが制限型(例:PlayStationのタイプ3など)の場合、プレイヤー同士の直接通信が確立しにくくなります。

代表的な症状
  • 対戦相手が見つからない
  • マッチングに非常に時間がかかる
  • 特定の相手とだけ接続できない
  • 部屋検索でヒットしない
 

特にP2P方式を採用しているゲームでは影響が顕著です。たとえば Call of Duty や モンスターハンターライズ のようなオンライン要素が強いタイトルでは、接続制限が直接プレイ体験に影響します。

フレンドと一緒に遊べない

NATタイプの組み合わせによっては、互いに接続が拒否されるケースがあります。

よくある例
  • 自分が制限型、相手も制限型
  • 双方ともポートが閉じている
  • 片方がCGN環境

このような場合、招待してもエラー表示が出ることがあります。

たとえば PlayStation 5 では、NATタイプ3同士だと接続失敗が起こりやすいとされています。

ボイスチャットが不安定になる

NATタイプが厳しい場合、音声通信にも影響が出ます。

主な症状
  • 声が聞こえない
  • 途中で途切れる
  • 一部のメンバーだけ会話できない
  • 接続エラーが頻発する
 

ボイスチャットは双方向通信を頻繁に行うため、ポート制限の影響を受けやすい特徴があります。特にグループ通話では問題が顕在化しやすくなります。

部屋の作成(ホスト)ができない

NATタイプが制限型だと「ホスト」になれない場合があります。理由は、外部からの接続を受け付けるポートが閉じているためです。具体的な影響として、

  • 自分が部屋を立てられない
  • パーティーリーダーになれない
  • カスタムマッチが作れない
  • ホスト変更でエラーが出る
 

P2P型ゲームでは、ホストの通信環境が非常に重要になります。制限型NATではホスト権限を持てないことが多いです。

【特定の時間帯だけ接続が不安定になる】

NATタイプがCGN(IPアドレス共有型)環境の場合、利用者が増える時間帯に問題が発生しやすくなります。起こりやすい現象は以下の通りです。

  • 夜間だけマッチング失敗が増える
  • 突然切断される
  • ポート不足による接続拒否

これは、プロバイダー側でポート数を複数ユーザーで共有しているためです。混雑時には割り当て可能なポートが不足し、接続トラブルが起きやすくなります。

NATタイプが悪くなる主な原因

オンラインゲームでNATタイプが「制限あり」と表示されると、マッチング不良や接続エラーの原因になります。では、なぜNATタイプは悪くなるのでしょうか。

多くの場合、原因は家庭内の設定だけでなく、プロバイダーの回線方式やIPアドレスの仕組みにあります。NATタイプが悪化する主な要因を、ここでは詳しく解説します。

NATタイプ悪化の原因と構造図

CGN(キャリアグレードNAT)の影響

近年、多くのプロバイダーが「CGN(Carrier Grade NAT)」を採用しています。これは、1つのグローバルIPv4アドレスを複数ユーザーで共有する仕組みです。

この方式の特徴は以下の通りです。

  • ユーザーごとのポート数が制限される
  • ポート開放ができない
  • 外部からの直接接続が困難

その結果、ゲーム機ではNATタイプが制限型になりやすくなります。

 

特に PlayStation 5 や Nintendo Switch など、P2P通信を多用する機器では影響が顕著です。

IPv4 over IPv6(IPoE)環境の制限

現在主流になりつつあるIPv6 IPoE接続では、「IPv4 over IPv6」という仕組みを利用します。

この方式では、

  • IPv4通信はトンネル経由で処理される
  • プロバイダー側でポート管理される
  • 自由なポート開放が難しい

結果として、NATタイプが厳しくなる場合があります。

 

高速化というメリットがある一方で、ゲーム用途では制限が問題になることがあります。

二重ルーター構成

家庭内ネットワークの構成もNATタイプに影響します。

二重ルーターとは、

  • ONUにルーター機能がある
  • さらに市販ルーターを接続している

という状態です。

この場合、

  • NATが二重にかかる
  • ポート転送が正しく機能しない
  • UPnPが正常に動作しない

といった問題が起こりやすくなります。意図せず二重ルーターになっているケースは非常に多いです。

ポート開放やUPnPの設定不備

ルーター設定が原因でNATタイプが悪化することもあります。

主な要因は以下の通りです。

  • UPnPが無効になっている
  • 必要なポートが閉じている
  • ファイアウォール設定が厳しい
  • セキュリティ機能が通信を遮断している
 

特にゲーム機は自動でポートを開放するUPnP機能を利用するため、これが無効だと制限型になることがあります。

グローバルIPv4アドレスが割り当てられていない

もっとも根本的な原因は「グローバルIPv4アドレスの有無」です。

現在はIPv4アドレスが不足しているため、

  • 共有IPが標準のプラン
  • オプション契約でのみ付与
  • 固定IPは有料

といったプロバイダーも多く存在します。

 

グローバルIPv4が割り当てられていない場合、基本的に制限型NATになりやすく、ポート開放も困難です。

改善するための対策

NATタイプが「制限あり」と表示されると、オンラインゲームでマッチング不良や接続エラーが発生しやすくなります。

しかし、原因に応じた対策を行えば改善できる可能性がありますここでは、NATタイプを改善するための具体的な方法を順番に解説します

ルーター設定を見直す(最初に確認すべき対策)

まず確認すべきなのは、家庭内ルーターの設定です。

チェックポイント

  • UPnPが有効になっているか
  • ファイアウォールが強すぎないか
  • ゲーム機が正しくインターネット接続されているか
  • DMZ設定が誤っていないか

UPnP(自動ポート開放機能)が無効だと、外部通信が制限されやすくなります。

たとえば PlayStation 5 や Nintendo Switch はUPnPを利用して通信ポートを自動確保します。これが無効だと制限型になりやすいです。

二重ルーターを解消する

意外と多いのが「二重ルーター」状態です。二重ルーターとは、

  • ONU(回線終端装置)にルーター機能がある
  • その下に市販ルーターを接続している

という構成です。この状態では、

  • NATが二重にかかる
  • ポート開放が正しく機能しない
  • UPnPが正常に動作しない
対策

  • ONU側をブリッジモードにする
  • どちらか一方のみをルーターとして使用する
 

設定変更後にゲーム機で接続テストを実行すると改善確認ができます。

ポート開放を手動で設定する

UPnPで改善しない場合は、手動でポート開放を行う方法があります。

手順の基本

  • ゲーム機に固定IPアドレスを割り当てる
  • ルーターで指定ポートを開放する
  • ゲームごとの推奨ポート番号を確認する

ただし、プロバイダー側でCGNが導入されている場合、ポート開放自体ができないことがあります。その場合は別の対策が必要です。

グローバルIPv4アドレスを取得する

もっとも効果的な改善策は「グローバルIPv4アドレスを利用すること」です。

確認すべき点

  • 現在の回線がIP共有型かどうか
  • グローバルIPv4オプションがあるか
  • 固定IPサービスが提供されているか

IP共有型(CGN)の場合、ユーザー側では根本解決できません。そのため、

  • グローバルIPv4オプションを契約する
  • 固定IPプランへ変更する
  • ゲーム向け回線へ乗り換える

といった選択が現実的な解決策になります。

【回線方式そのものを見直す】

最近主流のIPv6 IPoE方式は高速ですが、IPv4 over IPv6環境ではポート制限がある場合があります。

  • PPPoE接続へ切り替える
  • IPv4オプションを追加する
  • ゲーム向けと明記されたプランを選ぶ
 

特に対戦ゲームやP2P通信を多用するタイトルをプレイする場合、接続方式の違いは体感に大きく影響します。

プロバイダー選びで確認すべきポイント

オンラインゲームを快適に楽しむためには、回線速度だけでなくプロバイダーの仕様を正しく理解することが重要です。

特にNATタイプに影響する要素は、契約前に確認しておかないと後から変更が難しい場合があります。ここでは、ゲーム用途を前提としたプロバイダー選びで確認すべきポイントを詳しく解説します

グローバルIPv4アドレスが利用できるか

最も重要なのは「グローバルIPv4アドレス」が割り当てられるかどうかです。

確認すべき点

  • 標準でグローバルIPv4が付与されるか
  • IP共有型(CGN)ではないか
  • オプション契約で追加可能か
  • 固定IPサービスがあるか
 

IP共有型の場合、ポート開放ができず、NATタイプが制限型になりやすい傾向があります。オンライン対戦や協力プレイを重視する場合は、必ず確認しましょう。

接続方式(IPv6 IPoE/PPPoE)の違い

現在の主流はIPv6 IPoE方式ですが、ゲーム用途では注意が必要です。

主な違い

  • IPoE:混雑に強く高速だが、IPv4 over IPv6でポート制限がある場合がある
  • PPPoE:混雑しやすいが、ポート開放しやすい
 

プロバイダーによっては、IPoEでもグローバルIPv4オプションを提供している場合があります。契約前に方式と仕様を確認することが重要です。

ポート開放とUPnPへの対応

ゲーム機はポート通信を多用します。

例えば PlayStation 5 や Nintendo Switch では、通信テスト時にNATタイプが表示されます。

確認すべきポイント

  • ポート開放が可能か
  • UPnPに対応しているか
  • ポート数の制限がないか
  • 公式にゲーム利用を制限していないか

公式サイトの仕様欄や利用者の口コミも参考になります。

混雑時間帯の安定性

夜間や休日に安定しているかも重要です。

確認方法としては、

  • 夜間速度の口コミ
  • 通信障害の頻度
  • 地域ごとの利用者評価
  • 回線増強の実績
 

単純な最大速度よりも「ピーク時間帯の安定性」が重要です。対戦ゲームでは遅延やパケットロスが勝敗に影響します。

【ゲーム用途に関する実績や評判】

最後に重要なのが「ゲーム利用者の実績」です。

  • ゲーム向けプランがあるか
  • 公式がゲーム動作確認を公表しているか
  • eスポーツ用途での採用実績
  • 利用者レビューでNATトラブルが多くないか

料金の安さだけで選ぶと、後からNAT制限に悩まされることがあります。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)