【結論】速度が出ないときは「近い場所から順番に」原因を外す
ネットが遅いとき、いきなり回線変更や高性能ルーター購入へ進むのはおすすめできません。
原因が端末やLANケーブルなら、回線を変えても直らないからです。
端末→Wi-Fi/LAN→ルーター→リンク速度→時間帯→接続方式→建物配線→ONU/回線の順で確認すると、不要な買い替えや乗り換えを減らせます。
最初に「どこが遅いか」を1枚で確認する

| 症状 | 最初に疑う場所 |
|---|---|
| 1台だけ遅い | 端末 |
| Wi-Fiだけ遅い | 無線・ルーター |
| 有線も遅い | ルーター・回線 |
| 夜だけ遅い | 混雑・接続方式 |
| 100Mbps前後で頭打ち | LANポート・ケーブル・ハブ |
| 全端末が切れる | ONU・回線障害 |
ステップ1:1台だけ遅いか確認する
スマホは速いのにPCだけ遅いなら、回線全体ではなく端末側を先に見ます。
- Wi-Fi規格
- LANポート規格
- ドライバー
- VPN
- セキュリティソフト
- バックグラウンド通信
複数端末で同じ症状が出るか確認するだけで、原因候補を大きく減らせます。
ステップ2:有線とWi-Fiを比べる
たとえば有線では十分速く、Wi-Fiだけ極端に遅いなら、回線そのものより宅内無線が原因候補です。
有線で正常なら、回線契約を変える前にWi-Fi環境を見直します。
ステップ3:ルーターの近くでWi-Fiを測る
ルーター横では速く、別室だけ遅い場合は、距離・壁・床・干渉の影響を疑います。
改善候補
- ルーター位置を中央へ寄せる
- 2.4GHzと5GHzを比較する
- 中継機やメッシュWi-Fiを検討する
- 固定機器は有線化する
ステップ4:リンク速度を確認する
1G回線なのに有線実測が100Mbps前後で頭打ちになるなら、LANリンクが100Mbpsで接続されていないか確認します。
【100Mbps頭打ちの典型原因】
- 古いLANポート
- 100Mbps対応ハブ
- 古いUSB-LANアダプター
- LANケーブル不良
この状態では、高速な回線へ乗り換えても宅内側で上限に達します。
ステップ5:昼と夜で測る
昼は問題ないのに夜だけ遅いなら、混雑や接続方式を疑います。
同じ端末・同じ接続方法・同じ測定サイトで、昼と夜を比べます。
- 同じ端末
- 同じ有線/無線
- 同じ部屋
- 同じ測定サイト
- できれば複数日
ステップ6:接続方式を確認する
有線でも夜だけ遅い場合は、PPPoEやIPoE、IPv4 over IPv6など現在の接続方式を確認します。
同じプロバイダー内で接続方式を変えられる場合、回線を乗り換えずに改善できることがあります。
v6プラス利用中なのに遅い場合は、v6プラスにしたのに遅い原因は?IPv6・ルーター・Wi-Fiを順番に切り分けるを確認してください。
ステップ7:建物配線の上限を見る
マンションなどでは、建物内の配線方式が速度上限に影響します。
VDSLや古いLAN配線がボトルネックなら、プロバイダーだけ変更しても物理上限は変わりません。
| 建物側の確認 | 見るポイント |
|---|---|
| 光配線方式 | 部屋まで光ファイバーが来ているか |
| VDSL | 電話線区間が残っているか |
| LAN配線 | 建物内LAN規格 |
ステップ8:ONU・回線障害を確認する
複数端末、有線、Wi-Fiすべてで不安定、ONUのランプ異常がある、全端末が同時に切れる場合は回線側も疑います。
- ONUのランプ状態
- 公式障害情報
- 再起動後も同じか
- 有線でも切れるか
- 複数端末で再現するか
原因別に最短の対策を選ぶ

| 原因 | 優先する対策 |
|---|---|
| 端末 | 設定・規格・再起動 |
| Wi-Fi | 配置・周波数帯・メッシュ |
| LAN | ポート・ハブ・ケーブル交換 |
| ルーター | 負荷・規格・ファーム更新 |
| 混雑 | 時間帯・接続方式確認 |
| 建物配線 | 設備変更可否を確認 |
| 回線障害 | 事業者へ問い合わせ |
やってはいけない対策
- PC1台だけ遅いのに10Gへ変更する
- Wi-Fi死角なのにプロバイダーを変える
- VDSL上限なのに高性能ルーターだけ買う
- 原因確認前に複数機器を一度に交換する
原因と対策が合っていないと、費用だけ増えて症状が残ります。
ケース1:90〜100Mbps前後で頭打ち
LANリンクが100Mbpsになっていないか確認します。
古いハブ、ポート、ケーブル接触不良などで100BASE-TX相当へ落ちると、高速回線でも実測は伸びません。
ケース2:再起動直後だけ速い
ルーターの発熱、高負荷、ファームウェア不具合などが候補です。
毎日再起動する運用にするのではなく、再発条件を記録して原因を探します。
ケース3:特定サイトだけ遅い
DNS、VPN、CDN、サービス側障害など、回線全体とは別の原因も考えられます。
複数サイトや複数アプリで再現するか確認してください。
ケース4:アップロードだけ遅い
クラウド保存や動画投稿だけ遅いなら、上り速度を確認します。
下りだけ速くても、上り側に問題がある場合があります。
用途別に見る数字は、通信速度の上り・下りはどっちが大事?動画・会議・ゲーム・配信で見る項目を確認してください。
ケース5:ゲームだけラグい
Mbpsが十分でも、Pingやパケットロスが原因で体感が悪い場合があります。
ゲーム用途は、オンラインゲーム向け回線の選び方|Ping・パケットロス・有線接続を優先へ進んでください。
原因が2つ重なることもある
夜間の回線混雑と寝室Wi-Fiの弱さが同時に起きるなど、ボトルネックが複数存在することもあります。
1つ改善して完全に直らなくても、測定値がどう変わったかを見て次の層へ進みます。
ルーター・回線・端末を一度に変えない
複数要素を同時に変えると、どれが原因だったか分からなくなります。
LANケーブル→有線測定→Wi-Fi→ルーター→回線のように、1つずつ変更します。
速度不足と故障を分ける
契約1Gで実測が最大値に届かなくても、用途を満たして安定しているなら故障とは限りません。
最大速度ではなく、症状・再現性・利用上の支障で判断します。
問い合わせ前に記録する
- 有線/無線
- 昼/夜
- 複数端末で再現するか
- リンク速度
- ONU・ルーターのランプ
- 接続方式
- 再起動で変化したか
「有線3台で再現」「ケーブル交換済み」「夜だけ悪化」のように切り分け結果を伝えると、回線・ISP・機器のどこを確認すべきか判断しやすくなります。
正しい速度測定方法は別記事で確認する
ID2534は「どこが原因かを診断する記事」です。
測定回数や条件のそろえ方は、速度測定の正しいやり方|有線・Wi-Fi・時間帯をそろえて比較する方法を確認してください。
まとめ:遅い場所を特定して、その層だけ直す
- 1台だけか確認する
- 有線とWi-Fiを比べる
- ルーター近くで測る
- リンク速度を確認する
- 昼夜を比較する
- 接続方式を確認する
- 建物配線を確認する
- ONU・障害を確認する
速度トラブルで重要なのは、「何Mbps出ているか」だけではありません。
どの層で遅くなっているかを特定し、その層だけに費用と手間をかけることが、最短で改善する方法です。




