インターネットが遅い・つながらないとき、多くの人がまず行うのが「ルーターの再起動」です。確かに一時的な不具合なら改善することもあります。
しかし、再起動しても直らない場合は、別の原因を疑う必要があります。ここでは、再起動で改善しないときに次に確認すべき項目を、優先順で詳しく解説します。

ONU(回線終端装置)のランプ状態を確認する
ルーターを再起動してもインターネットが復旧しない場合、次に確認すべきなのが「ONU(回線終端装置)」です。
ONUは光回線の信号を家庭内で使える形に変換する重要な機器で、ここに異常があるとルーターは正常でも通信できません。まずはONUのランプ状態を確認することが、正しい原因特定の第一歩です。

1. ONUとは何か
ONU(Optical Network Unit)は、光ファイバー回線の終端装置です。
- 光信号をデジタル信号へ変換
- 回線事業者と家庭内を接続
- 認証処理の中継
通常は、
- 壁の光コンセント付近
- ルーターの近く
に設置されています。
ONUに異常があると、ルーターをいくら再起動しても復旧しません。
2. 確認すべき主なランプ
ONUには複数のランプがあります。名称は機種により異なりますが、主に次の項目を確認します。
光回線(または「PON」「光」ランプ)
- 緑点灯(または安定点灯)
- 消灯 → 回線断線や設備障害の可能性
- 赤点灯 → 信号異常
このランプが消えている場合、家庭内では解決できない可能性が高いです。
認証(または「AUTH」「登録」ランプ)
- 緑点灯
- 点滅し続ける
- 消灯
認証異常の場合、
- 接続設定エラー
- 回線側トラブル
が疑われます。
電源ランプ
- 常時点灯
- 消灯 → 電源供給不良
- 点滅 → 機器不具合
まずは電源アダプタの差し込みを確認しましょう。
3. ランプ異常時の対処法
ランプに異常がある場合の基本対応は次の通りです。
- 電源アダプタの抜き差し
- コンセント変更
- 光ケーブルが抜けていないか確認
その後、
- ONUの電源を5分程度切る
- 再接続して様子を見る
それでも光ランプが復旧しない場合は、回線事業者側の障害の可能性が高いです。
4. 正常でも通信できない場合
ランプがすべて正常でも通信できない場合は、次の可能性があります。
- ルーター設定エラー
- IPv6未設定
- プロバイダー障害
- LANケーブル不良
この場合は、
- 有線接続での速度確認
- ルーター初期化
- 障害情報確認
へ進みます。
ONUランプは「回線が来ているかどうか」の基礎確認です。
5. 触ってはいけない部分
【注意点】
- 光ファイバーケーブルを無理に曲げない
- 分解しない
- 設定ボタンを不用意に押さない
光ケーブルは非常に繊細で、強く曲げると断線します。
物理的な破損は修理費が発生する可能性があります。
有線接続で速度を測定する
「インターネットが遅い」と感じたとき、最も重要なのは「回線の問題なのか、Wi-Fiの問題なのか」を切り分けることです。
そのために有効なのが「有線接続での速度測定」です。
有線で正常なら回線は問題なく、無線環境の改善に集中できます。ここでは、有線接続で正確に速度を測定する方法と、結果の見方を詳しく解説します。
【なぜ有線測定が重要なのか】
Wi-Fiは電波環境の影響を受けますが、有線接続は直接通信します。
そのため、
- 回線自体の実力が分かる
- ルーターの基本性能が分かる
- 無線トラブルを除外できる
というメリットがあります。
再起動しても遅い場合、まずは有線で確認することが最優先です。
1. 正しい測定手順
正確に測るためには、次の手順を守ります。
- パソコンを用意
- LANケーブルでルーターに直接接続
- Wi-Fiをオフにする
【測定時の注意】
- 他の端の通信を止める
- 動画やダウンロードを停止
- できれば夜と昼の両方で測定
無線接続のまま測定すると、正しい切り分けができません。
2. 結果の見方(下り・上り・Ping)
速度測定では主に3つの数値を確認します。
下り速度(ダウンロード)
- Web閲覧や動画視聴に影響
- 100Mbps以上あれば一般家庭は快適
上り速度(アップロード)
- ビデオ会議やクラウド保存に影響
- 30Mbps以上あれば安心
Ping値(遅延)
- ゲームや通話の安定性
- 20〜30ms以下が理想
下りだけでなく、上りとPingも必ず確認します。
3. 有線でも遅い場合の原因
有線でも速度が出ない場合は、次の可能性があります。
- 回線側の混雑
- IPv6未設定
- プロバイダー側の問題
- ONU異常
- 古いLANケーブル(カテゴリ5など)
特に古いケーブルでは100Mbpsが上限になることがあります。
LANケーブルは「カテゴリ6以上」が目安です。
【有線は速いのに無線が遅い場合】
この場合、回線自体は正常です。
原因は
- 2.4GHz帯の混雑
- ルーター性能不足
- 設置場所の問題
- 端末側の制限
この切り分けができるだけで、不要なプロバイダー変更を防げます。
有線測定は「原因特定の基準点」になります。
プロバイダー障害情報を確認する
ルーター再起動や配線確認をしても改善しない場合、見落としがちなのが「プロバイダー側の障害」です。
自宅の機器に問題がなくても、回線事業者やプロバイダー側で障害やメンテナンスが発生していれば通信は復旧しません。
無駄な初期化や買い替えをする前に、障害情報の確認は必須です。ここでは、確認方法と判断のポイントを詳しく解説します。
1. 障害とメンテナンスの違いを理解する
まず知っておくべきなのは、「障害」と「メンテナンス」は異なるという点です。
- 突発的に発生
- 復旧時間未定の場合あり
- 地域限定のことが多い
- 事前告知あり
- 深夜帯が多い
- 計画停止
突然つながらなくなった場合は、障害の可能性が高いです。
2. 確認すべき情報
障害情報を確認する際は、次の点をチェックします。
- 発生日時
- 対象地域
- 対象サービス
- 復旧見込み
特に重要なのは「地域限定かどうか」です。
同じ都道府県でも、市区町村単位で限定される場合があります。
3. 障害が疑われる症状
次のような場合、障害の可能性が高まります。
- 突然まったく接続できない
- ONUの光ランプが消灯
- 有線でも接続不可
- 近隣でも同様の症状
また、
- スマホのモバイル回線は正常
- 自宅Wi-Fiだけ使えない
という場合も、回線側障害の可能性があります。
4. SNSや地域情報も参考にする
公式発表が遅れるケースもあります。
- SNSでプロバイダー名を検索
- 地域掲示板で同様報告を探す
- 近隣住民に確認
短時間で同様の投稿が多数ある場合、広域障害の可能性があります。ただし、公式情報を最優先に判断することが重要です。
【障害時にやってはいけないこと】
障害発生中に不要な操作をすると、復旧後に設定不具合が起きることがあります。
- ルーター初期化
- 接続IDの再設定
- むやみに配線変更
- 機器の買い替え
障害の場合、基本的に「待つ」ことが最適解です。
復旧後もつながらない場合に、あらためて機器確認を行います。
IPv6接続の状態を確認する
「昼は速いのに夜だけ遅い」「再起動しても改善しない」といった症状がある場合、確認すべきなのがIPv6接続の状態です。
回線契約自体は高速でも、接続方式がIPv4のままだと混雑の影響を受けやすくなります。
特に家族で夜間利用が多い家庭では、IPv6(IPoE)接続が有効かどうかが安定性を大きく左右します。
ここでは、IPv6接続の確認方法と判断ポイントを詳しく解説します。
1. IPv6とは何か
IPv6は、従来のIPv4に代わる新しい通信方式です。
- 混雑回避経路を利用できる
- 夜間でも速度が安定しやすい
- Ping値が改善しやすい
従来のIPv4(PPPoE方式)は、
- 利用者が集中すると渋滞しやすい
- 夜間に速度低下が起こりやすい
という特徴があります。そのため、IPv6(IPoE)対応は現在ほぼ必須といえます。
2. IPv6未接続で起きる症状
IPv6が有効でない場合、次のような症状が出やすくなります。
- 夜20時以降に急激に遅くなる
- Ping値が不安定
- 動画が止まりやすい
- 有線でも速度低下
特に「昼は速いのに夜だけ遅い」は典型例です。この場合、回線品質ではなく接続方式が原因の可能性があります。
3. 確認方法
IPv6接続を確認する方法は主に3つあります。
① ルーター管理画面を確認
- 接続方式がIPoEになっているか
- IPv6接続「有効」表示か
- IPv4 PPPoE接続のみになっていないか
「IPv4接続中」と表示されている場合は未対応の可能性があります。
② 接続診断ページで確認
接続診断サービスを利用すると、
- IPv6アドレス取得状況
- 接続方式
が確認できます。
IPv6未取得と表示される場合は設定確認が必要です。
③ プロバイダー契約内容を確認
そもそも契約がIPv6対応かどうかも重要です。
- IPv6オプション有無
- IPoE対応プランか
- 申し込み手続き済みか
一部では申請が必要な場合もあります。
4. IPv6が無効になる原因
IPv6が使えない原因は複数あります。
- ルーターが非対応
- ルーター設定が無効
- 古い機器を使用
- プロバイダー側未申請
特に古いルーターではIPv6非対応のことがあります。
Wi-Fi6対応機種なら基本的にIPv6対応です。
【改善手順】
IPv6未接続の場合の対処法:
- ルーター設定でIPv6有効化
- IPoE自動設定を確認
- ファームウェア更新
- プロバイダーへ確認
それでも改善しない場合は、
- IPv6対応ルーターへ買い替え
- プロバイダー変更検討
が必要になることもあります。
ケーブル・配線の物理確認
ルーター再起動や設定確認をしても改善しない場合、意外と見落とされがちなのが「ケーブル・配線の物理的な問題」です。通信は最終的に“物理的な接続”に依存しています。
ケーブルの劣化や接触不良は、速度低下や接続不安定の原因になります。ここでは、家庭で確認できる配線チェックポイントを詳しく解説します。

1. LANケーブルの規格を確認する
古いLANケーブルは速度の上限を制限します。
- Cat5 → 最大100Mbps
- Cat5e → 1Gbps対応
- Cat6以上 → 安定した1Gbps以上
もし高速回線(1Gbps以上)を契約していても、
- Cat5使用
- 破損ケーブル使用
では本来の速度は出ません。
ケーブル側面に「Cat5e」「Cat6」などの表記があります。
2. ケーブルの抜けかけ・緩み
接触不良は非常に多い原因です。
- カチッと奥まで差さっているか
- ぐらつきがないか
- ツメが折れていないか
特にルーターやONU周辺は、
- 掃除中に動く
- ペットが触れる
- 模様替えで緩む
ことがあります。
一度すべて抜いて、差し直すだけで改善する場合もあります。
3. ケーブルの劣化・物理損傷
LANケーブルや光ケーブルは消耗品です。
- 強い折れ曲がり
- 被膜の亀裂
- 噛み跡(ペット)
- ドアに挟まれた跡
内部断線していると、
- 速度が不安定
- 時々切断
- 上りだけ遅い
といった症状が出ます。
可能であれば新品ケーブルで試すのが最も確実です。
【光ファイバーケーブルの取り扱い注意】
ONUと壁の間にある光ケーブルは非常に繊細です。
- 引っ張らない
- 無理に抜かない
光ランプが消えている場合、
- ケーブル抜け
- 曲げ過ぎによる断線
の可能性があります。
光ケーブルは直角に折り曲げないように注意が必要です。
5. 電源まわりの確認
通信機器は安定した電源が必要です。
- 電源タップの劣化
- 延長コードの過負荷
- アダプタの緩み
不安定な電源は、
- 突然の再起動
- 通信断続
- 速度低下
の原因になります。
可能なら壁コンセントへ直接接続して確認します。




